≪くらげだってそっくりだ≫

お知らせも作品も個人的なつぶやきもなんでも乗っけるよ

03小説・詩をかいた

■ゆめの話

ゆめのなかで君に会えました。 ゆめのなかで君に触れました。 ゆめのなかのあなたの皮膚は現実と同じでとてもすべらかでなめした革のようで、でもそれは現実とはまた違って特別に親密で、また温度がなく、やわらかで、幻のようでした。でも私とあなたはただ…

メールについて思う小さな文章

メールの向こう側ではどうにも君の声がずっと削り落とされて、とてもとてもちいさなものになっている。メールの向こうで君の顔は遥か彼方、そして向こうのそっぽを向いている。 そんな悲しい荒れ狂う海原のような距離を超えて君の言葉は届いてくる。 その向…

どうもです。

このブログにのっけている文章を、ぜひ縦書きで見てみたいというお声をもらったので、PDFファイルをのっけておきます。 今後は、書くたびになるべくファイルもアップしてみるので、皆で集めて揃えたらなんかいいことあるかもしれない。 Ⅰ. 朗読劇 Ⅱ.水と…

『宇宙の土の底』

息を吸う、息を吐く、息を吸う、息を吐く、吸う、吐く、吸う、吐く、そして、吸って、潜った。 地球は、水に沈んだ。海が、なにもかも真っ青に塗りつぶした。その広い広い海、広い広い空の日照りに打たれて、わずかなわずかな陸地に残る人々は、砂を、砂を求…

水と水槽

たとえば、水槽に足をつっこむ。わたしは部屋の窓辺にふたつ水槽を置いていて、片方には水草とザリガニを入れている。片方には水草だけを入れている。東向きの窓からは、朝、しろい光がすっと気持ちよくはいってくる。水槽はそれを受けて、浄化ポンプでかき…

半年まえのことだろう。

『そうなんだよ。 私はいままでずっと君に、「私のようになれなれ。」と思っていたのだけれど、そんな必要ぜんぜんなかったんだ。「みんな違ってみんないい」んだ。私のできることは私がやればよかったし、あなたにできることはもっと他にたくさんあった。そ…

こんな文章で演劇を作ったらどんなだろう。

(ショートヘアの女の子がすっくと立ち上がり、喋る。) 夕ぐれのまえの、ちょっとまだ空がそまらないくらいの時間、雲のりんかくが、うっと浮かび上がるくらいのとき、その空を、自転車でしゃーーと駆け抜けながら首を上に折って、ずっとずっと目を見開いて…