≪くらげだってそっくりだ≫

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メールについて思う小さな文章

メールの向こう側ではどうにも君の声がずっと削り落とされて、とてもとてもちいさなものになっている。メールの向こうで君の顔は遥か彼方、そして向こうのそっぽを向いている。

そんな悲しい荒れ狂う海原のような距離を超えて君の言葉は届いてくる。

その向こうでいったい君がどんな気持ちでいるのかどんな顔でいるのかとても私には分かったものじゃない。地球の裏の彼方から、君の声は地面を通ってやってくる。そんな気持ちがする。

でもだけどその距離を超えて、確かに君の指を動かして、君は私へ言葉を送る。

だから私は少し立ち止まってじっと目をこらして、君の言葉の本当の意味を、地球の裏側のほんとの顔を、ほんとのこころを、なんの手がかりもなく沈む大海原でただひとり想像している。